大学受験(だいがくじゅけん)



大学受験(だいがくじゅけん)とは大学・短期大学・大学校(以下、本節においては大学等と表記する)の入学試験を受けること。世界各国で大学に相当する教育機関へ入学する際には様々な取り決めが存在しているが、学力試験を通じて入学者を選抜するケースが多い。





日本の状況
本節では日本の状況に関して述べる。



受験資格
前提として、飛び級生徒を除き、該当区分年度前年度の4月1日(すなわち大学入学年の4月1日)時点で18歳以上の人のみに受験資格がある。この条件を満たしていれば、日本の法令上は、各々の大学等が個別に入学資格を認定し、受験の機会を与えることが可能である。しかし、日本国内の大学等は以下のいずれかに該当していることを求めるケースが多い。

高等学校もしくは中等教育学校を卒業している、または卒業見込みである
高等専門学校の第3学年を修了している、または修了見込みである
通常の課程における12年の課程(盲学校・聾学校・養護学校などにおける場合)を修了している、または修了見込みである
高等学校卒業程度認定試験(高卒認定試験)や国際バカロレア資格などに全科目合格
なお、近年では入学資格の個別認定を行っている大学が増え、また日本国内の外国人学校を卒業した生徒に対し、高卒認定無しに個別の認定という形で無条件に受験資格を与える大学等も存在する。



試験方法
大学入試には推薦入試やAO入試などもあるが、ここではいわゆる一般入試について解説する。その他の入試はそれぞれの記事を参照のこと。



国公立大学の一般入試
国公立大学の一般入試では原則的にセンター試験の受験を必須とする。そして、それとともに多くの大学(学部、学科)において個別学力検査(俗にセンター試験との対比で二次試験と呼ばれる。記述式が多い)が実施され、センター試験と個別学力検査の合計点によって合格者が決められる。センター試験と個別学力検査の配点比率は大学によって大きく異なるが、難関の国公立大学では個別学力検査が重視される傾向がある。例えば東京大学の前期日程ではセンター試験と個別学力検査の配点比率は1:4、一橋大学経済学部の前期日程では同21:79などとなっている。

また、一部の大学等、特に医学部において、センター試験の成績が一定の基準に満たない志願者を不合格とする二段階選抜が行われることがある。志願者数があらかじめ決められた倍率を超えた場合に実施する大学等や、事前に最低点(具体値や志願者平均点に対する割合)を定めている大学等があるが、二段階選抜が実施された場合、センター試験において合格となった志願者のみが第二次の選抜である個別学力検査を受験することができる。

国立大学のセンター試験は、原則として5教科7科目(国語・外国語・数学(1)・数学(2)および地理歴史・公民・理科から3科目)を課すことで広範囲にわたる学力を検査することが一般的である。このため、入学定員の大半を選抜する入試形態(後に述べる分離・分割方式の前期日程)においては、ほとんどの国立大学が5教科7科目を課す選抜方式を採っている。加えて近年は、特に入学定員の極少数を選抜するための入試形態(後に述べる分離・分割方式の後期日程や中期日程)において、例外的に課す教科数を減少させる選抜方式を併設することによって、選抜方法に多様性を持たせている大学が多く見られる。

公立大学の選抜方法も基本的には国立大学に準じている。ただし、国立大学に比べると課す教科数を減少させて4教科以下を課すことを原則とする大学が比較的多く見られる。

国公立大学の個別学力検査は一般的に分離・分割方式と呼ばれる制度で実施される。すなわち、同じ大学での個別学力検査を前期日程と後期日程に「分離」し、同じ学部(学科)の定員をそれぞれの日程で「分割」する方式である。(国際教養大学は分離・分割方式に参加せず別日程で実施)

前期日程では2〜3教科(4教科を課す大学もある)、後期日程では1〜2教科の学科試験を課すのが主流である。後期日程では、小論文や面接などを課す大学も多い。また、公立大学のごく一部の学部(学科)では中期日程という形で個別学力検査を行うところもある。したがって、この中期日程を含めれば、前期・中期・後期と国公立大学を最大3校受験できることになる。

なお、同じ日程で複数の国公立大学を受験することは(個別学力検査の実施日が異なっていても)できない。さらに、前期日程で合格し入学手続きを行うと、中期・後期日程の大学には個別学力検査を受けても合格対象から外される。定員配分も多くの大学において前期日程に圧倒的に多く配分しているため、制度上複数回受験することができるものの、実際には定員留保二次募集式であり、後期日程は敗者復活戦と同じであるとみられている。

国立大学入試のあり方について指針等を作成している国立大学協会は、後期日程分の定員を推薦入試やAO入試などに分配することを条件に、2006年度入試から一般入試を前期日程に一本化することを認める見解を2003年に決定した。もともと国公立大学が分離・分割方式を採用した目的は、学力だけでは測れない有能な人材の確保であった。ところが前述のとおり、後期日程は前期日程の敗者復活戦という意味合いが強く、同じ大学の前期日程と後期日程を併願する受験生が多い。このことから当初の目的を果たして達成できているのかを疑問視する声もあった。これらのことを受けて、後期日程の漸次廃止や大幅な定員減を行う大学が年々増えており、今後、後期日程の規模はますます縮小していくものと見られる。

後期日程の合格発表後、定員を満たせなかった学部(学科)では3月末〜4月初旬にかけて、「欠員補充二次募集」として特別入試を実施する場合がある。これらは各大学が個別に発表する。ただし、国公立大学における定員割れは極めて稀である。

大学によって、受験時に目的の学部(学科)を選択する場合と、受験時は類を選択するのみで入学後しばらくして学部(学科)に振り分けられる場合がある(例えばある大学では2年生までは一般教養専門の課程に所属し、3年進級時点で各学部に分かれるなどといった方法を採用している)。



私立大学の一般入試


入試日程
私立大学の一般入試は大学入試センター試験直後の1月下旬頃から順次始まり、2月下旬から3月上旬頃までに実施されるというのが大まかな流れである。

一般に受験機会は1回のみだが、学部・学科を違えての学内併願は自由にできる。また、全学部共通の特別な受験日程を、各学部の入試と日にちを前後して実施する大学もあり、こうした大学では受験生は第1志望の学部・学科を少なくとも2回受験できることになる。

また、数回入試が行われ、例えば、1月後半〜2月前半に1回目、2月中旬〜下旬に2回目、3月に3回目という大学等も増えている。名称は個々の大学等によって、「A方式」「AS方式」「B方式」「C方式」、「前期」「中期」「後期」など、名称は多彩である。また、連続した数日のうち任意の1回、あるいは2回以上受験可能な「試験日自由選択制」を採る大学もある。この方式を採る大学の一部は1回の受験料で何回でも受験可能(あるいは2回目以降は受験料減免)といった方策を取り入れているケースもある。

2000年代以降、3月に入試を行う大学も増えている。従来は2月の入試で目標定員を集められなかった大学が行うことが多かったが、入試戦略の一貫として3月入試まで視野に入れて日程を計画する私立大学も増えている。更に2〜3月にかけて毎週入試を行うような大学もある。



入試科目
文系
私立大学の文系学部では「英語+国語+選択科目1科目」が主流である。英語以外の外国語としてドイツ語・フランス語などが選択可能な場合もある。私立大学文系の選択科目は日本史・世界史・地理・政治経済・数学などから1科目選択するケースが多い。
特に日本史・世界史は、ほとんど全ての私立大学の文系学部で選択可能である。地理・政治経済・数学が選択できるかどうかは、個々の大学・学部による。数学が選択可能な場合、出題範囲は最も広くとも「数学I・A・II・B」という高2までに履修する範囲で、本格的な微分積分を除かれている。中には「数学I・A」(高1までの範囲)で受験できる場合もある。この「数学I・A・II・B」を「文系数学」と呼ぶこともある。これらの他、哲学科などがある私立大学では倫理が選択できたり、現代社会を政治経済の代わり、ないしは政治経済と共に選択科目として認めている場合もある。
国語の範囲は、現代文のみ、もしくは現代文と古文の場合がほとんどであるが、学部や大学の方針によって漢文が加わることもある。難関大学ではこれら3科目の融合問題を課すこともある。また、上記の他に選択科目として小論文(作文)がある大学も存在しており、慶應義塾大学のように、商学部A方式を除く全ての文系学部で国語の代わりに小論文が必須であるような例もある。
科目選択としては、1990年代以降、2科目入試が可能なケースも増えている。多くの場合、「英語+国語」であるが、指定された3科目を受験してもっとも良かった上位2科目で合否を判定する大学やあらかじめ指定した科目を1.5倍にして合否判定する大学もある。
理系
私立大学の理系学部では「英語+数学+理科1科目」が主流である。ただ、早稲田大学や慶應義塾大学の理系学部では「英語+数学+理科2科目(物理と化学が多いが、生物が選択可能な場合もある)」が課される。私立大学の理系学部で課される数学は、本格的な微分積分、行列、楕円等を含む「数学I・A・II・B・III・C」までの高校数学の全範囲が課されることが多いが、「数学I・A・II・B」までしか課さないところもある。
選択科目は、物理または化学から1科目選択の場合が圧倒的に多いが、生命科学・医学関連の学部・学科などでは生物も選択可能である場合がほとんどである。また、ごく稀に地学を選択科目に認めている大学もある。
一部の私立大学理系学部では、専攻の有無に関わらず、選択科目に生物を加えたり、更には、理科を国語(現代文のみ)で代替可能にする大学も出てきている。
特殊な例
特殊な例としては慶應義塾大学総合政策学部および環境情報学部で実施されている「英語または数学または英語および数学+小論文」という入試がある。この入試では「英語+小論文」、「数学+小論文」、「英語+数学+小論文」のいずれかを選択できる。また関西大学文学部で採用されている「漢英入試」(漢文+英語)という入試制度や東洋大学経営学部会計ファイナンス学科で採用されている「簿記利用入試」(英語か国語のどちらか点数の高かった方と商業高等学校で学習する商業簿記の2科目)といったものも存在している。
更に上記の枠に収まらないものとして、アメリカの大学入試であるSATを模した独自の入試を行う国際基督教大学や、聖心女子大学の「プレゼンテーション入試」、共立女子大学の「EQIQ(エクイック)入試」(「EQ=情動能力」+「IQ=知的能力」:「EQIQ=総合人間力」)などの例がある。
また、欧米の学校制度を踏まえた、年2回入学卒業が可能なセメスター制を採用する大学が近年増えており、4月入学以外に、10月入学も可能となる大学が出てきている。そのため、秋期入学者用の入試(「9月入試」などと呼ばれる)を行う大学も増えつつある。日本の大学では1994年に東洋大学工学部が初めて導入した後、地方の大学で採用する例はあったが導入する大学は増加していなかった。しかし2005年9月に早稲田大学商学部が導入したことで、他大学への更なる波及も予想される。


学部の途中年次に入学する試験(編入学試験)
 短期大学・高等専門学校や専修学校専門課程(専門学校)の卒業者及び卒業見込み者、4年制大学2年次修了者などを対象とした「編入学」試験を行う大学も多い。これは主に、大学3年次に入学する者を選抜する試験である(編入学年次を2年次とするところや、文系学部や医学部等においては受験資格を大卒・大卒見込みとする場合もある)。

 編入学試験の試験科目は、語学・専門科目・面接という場合が多いが、理系学部では、さらに理数系科目が追加される場合がある。試験は各大学・学部の独自作成問題による。また、工学部等の特定学部では、高等専門学校等の同一専攻の卒業見込み者を対象に推薦編入学制度を持つ場合も多い。私立大学が系列や提携の短期大学・短期大学部に対して推薦編入学枠を用意している場合もある。

 選考実施の時期は 夏季〜9月にかけて行われる場合や年度末の2〜3月にかけて行われる場合が多い。編入学定員を設けて行う場合の多くは前者であり、後者の場合は欠員補充の意味合いが強い。しかし、12月に実施されるケースもあり、選考時期として特に統一された時期は無く、各大学・学部の自主性に委ねられている。



番組企画としての大学受験
日本において、大学受験は人生の重要な通過儀礼として見なされる傾向にあり、それゆえ、非常に深刻なもの、人生の重大事として受け止められる傾向にある。こうしたシリアスさとのギャップを狙って、芸能人、特に大学受験とは最も縁遠いと思われるお笑い芸人などが大学を受験し、その模様を番組企画として放送するケースが多数見られる。



日本の大学受験の問題点
コミュニケーション能力が重視されていない点が挙げられる。高校生が、大学受験科目の学習ばかりに邁進してしまい、プレゼンテーションやディスカッションなどの経験が未熟なまま大学に入ってしまうことになる[要出典]。結果、東京大学や京都大学などの最難関大学の学生であっても就職試験の面接に落ちるものが続出するようなことが起きている[要出典](学歴難民)。

ほかにも、一部の大学では全てマークシート方式の受験がとられており、「記述・論述能力が伸びない高校生が多い」といった問題点や、教科書の知識をつめこむことで対処可能な試験がほとんどであることから「自分で考えを模索する力が伸びない」「受験に強いだけ」といった問題点もある。

これ以外の問題点としては、高等学校の時期における教育が大学受験科目の学習に偏重し、それ以外の教育が顧みられなくなる問題点が考えられる。この問題点は、新制高等学校・新制大学発足以来今日に至るまでしばしば提示されてきたが、抜本的対策はなされていない。また、中学受験や高校受験とも共通する問題だが、特に高等学校が義務教育ではないこと、かつ大学受験者(特に「一流大学」受験者)の多い高等学校が「一流高校」とされることが多くそれ以外の高等学校に比べて教育問題・青少年問題が顕在化しにくい場であったことなどから、この問題の深刻さにもかかわらず顕在化しにくく問題提起されにくかった。

受験科目以外の科目の学習がおろそかになること。特に、音楽・美術・家庭科など、多くの受験生にとって受験科目とならない科目で、かつ理数系科目以外・大学教養課程以降学ぶ必要のない科目・単位認定が容易な科目にその傾向が強い。
「目標偏差値の高い大学や、入学試験問題が難しい(標準的な学力では合格点を取り難い)大学」が無条件に「一流大学」さらには「本来進学すべき大学」とされること。「一流大学」以外の大学であっても、入学後の教育内容が充実している場合は多い。また、万人にとって「一流大学」とされる大学での教育が最良とも限らない。にも拘らず学習のモチベーションを高める手段として大学受験が利用され、よってこの問題は軽視されがちである。
在校中・大学在学中・大学卒業後の生活に関わる教育が軽視されがちであること。(性教育・悪徳商法対策教育・進学先での地域の生活の特徴・大学生活に関する予備知識など。)大学受験準備期間の教育機関は「勉学の場」であり、生活のために必要な教育はそれ以外の場で学ぶべきものか、あるいはこれらの知識は中学校以前ですでに学んでいるべきもので、高等学校等の大学受験準備期間で学ぶべきではない(性教育や生活知識に関する教育を高等学校等で行うのは場違いとするものも多い)ものとされることが多いこと。大学受験生とて10代の青少年であり青少年問題とは無縁ではない(教育困難校とされる高等学校や一般の中学校とは状況は異なろうが)し、何より生活者・生き物である以上大学在学中・大学卒業後の生活に関して予備知識を得ることは必要である(トラブルの未然防止になる)と思われる。特に志望する大学が現住所と別の地域にある場合はより重要であろう。
修学旅行・学園祭等の教育効果を軽視し、実施しないか簡略化する傾向が強いこと。


関連項目
大学入試センター
予備校 - 三大予備校
国立旧一期校・二期校
学歴
螢雪時代
補欠合格
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学力検査:学力 - 定期考査 - 業者テスト - 模擬試験 - 学力偏差値
成績評価:調査書 (進学と就職) - 内申点 - 通知表
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